森野きりりの漂流日記

容姿もダメ頭もよくない、おまけに性格も悪いと自分を否定することしかしなかった女の子が、人生の荒波の中で「いやいや何も取り柄がなくても大丈夫さー」ということに気が付いていく長い長いお話です

2022-01-01から1年間の記事一覧

百恵ちゃんのマイク

あと一日で新しい年が明ける。 カレンダーを取り替えながら、過ぎた一年を振り返る。 (あー!そうだった!) 今年は寅年。 わたしは年女だった! (飛躍の年になるといいな…) と年頭に思ったのが…すごい。 この歳で… 今年手に入れたもの ……… いや、手から…

あそものがたり

年の瀬も迫ったある日… 背丈よりずっと高い作物が生い茂る畑の中の道を、じいちゃんと二人で歩いていた。 作物の旬を知らないわたしは、その時かき分けて歩く背の高い作物が何だったのかわからない。 わたしは小学校の一年生か、二年生くらいだろうか… 小柄…

ありがとうをいっぱい伝えたい

阿蘇の新米が届いた。 アジのフリッター 大根の酢の物 残り野菜と高野豆腐を炊いたもの それから鍋に少し残ったカレーに牛乳を足して作ったカレースープ。 訳のわからないメニューだけど、ピカピカの阿蘇のお米がある! 食卓に並べて 「いただきます!」 と…

コロナ禍のあるあるお話し

つい先日の昼休みの出来事。 休憩室で昼食をとっていた。 そこに同じフロアで働いている職員さんが通りかかった。 突然、わたしの方を向いて 「初めまして!今度こちらでお世話になります。よろしくお願いしします」 と、ご丁寧なあいさつ。 「えっ!?」 (…

そこにいたのね!鴨一家

ある日のこと。 橋の上を運転していた。 この下に流れる川は一級河川。架かっている橋も絵になる大きさ。 目の前(というより、目の上かな)は、自由気ままに動き回る雲。 少し視線を下げれば、橋を照らす照明灯が映画のワンシーンのように並んでいる。 女優…

あなたは誰?鴨じゃないよね…

猫背を治すことも大事。 だけど、やっぱ運動しなくっちゃ! 反省してウォーキングに出た。 足が向くのはやっぱり川べりの道。 川を横目に歩き始めた。 鴨も居ない。 謎のリングもない。 (さみしいわー) でも頑張って歩くんだ。 せめて雲でも眺めるか… 雲だ…

どんどん小さくなっていく

秋になったら健康診断に行こう! 秋じゃなくてもいいんだけど、春に受けそびれて夏は暑いしな…と躊躇っているうちに、いつの間にか秋だ。 (やばい!早くしないと冬が来ちゃうよ!) 年が明けてしまったら、すぐに春が来る… よし!秋には必ず健康診断を受け…

伝播する感情ことばのちから Part3

ちょうど一年前のこと、 妹とわたしは母を整形外科に連れて行くために施設に迎えに行った。 亀さんのようにゆっくり歩く母の手を引きながら、大切な時間を噛みしめた。 あれからたった一年しか経っていないのに… 新型コロナは世の中を一変させただけでなく、…

謎のリングはどこにもない

今日は車がない。 (しかたない…歩こうか…) 歩き始めるとすぐに川の水がキラキラと光る光景があたまにうかんだ。 いつから歩いてないんだろう。 思い出せないくらいウォーキングのことを忘れていた。 腰痛は相変わらずあったりなかったり… これからはウォー…

わたしなら吠える

さて、あいも変わらず新聞を広げて素通りできない人生相談。 「人の悩みになぜ関心を持つの?」 って言われそうだけど、気になるのは回答のほう。 相談するのは若い人ばかりじゃない。人生経験豊かな年代になっても悩みは営々と続く。 今日読んだお悩みは、…

怖い哀しい義時さん

もうここまで来ると、見ないという選択はなくなった『鎌倉殿の13人』。 大河ドラマはずっと見てきたけど、今年の煽り方はすごくないですか? 「はーい!注目!」 「見逃さないでねー!」 「いよいよですよー!」 あーだこーだと提供されるエピソード。 ”出…

お姉さんのレモン

姉の遺したレモンが黄色くなった。 (黄色くなるまで待たなければいけなかったんだ!) と、今ごろ気がついた。 去年もその前の年も、まだ緑色の状態で収穫したので、全然ジューシーじゃなかった。 (やっぱり素人じゃ育てるの難しいねー) なんて思っていた…

働けるしあわせ

仕事で一番長く続いたのは三十代後半に出会った会社。 二十五年間続いた。 六十代になり、なんだかんだとひと区切り。 体も頭の中もまだまだ元気。やる気も十分。 次の仕事は簡単に見つかるとたかをくくっていた。 ところが… (あれー?思っていたほど甘くな…

しあわせの情景  Part2

最近やたらと原由子さんを見かける。 Yahoo!でたまたま出ていた情報に興味をひかれた矢先、『徹子の部屋』で見かけた。 すると、今度は『SONGS』にも出てるじゃないか。 (なにかの戦略?) と思っていたら、新しいアルバムが出たのね。 サザンオールスター…

水引の花…秋を想う

”水引”(みずひき) って、どんな花かわかりますか? 赤い花びらがまっすぐに並んでいて、可憐でけなげ。 小さな小さな花だから雑草に紛れてしまいそう。 でも、わたしは見逃さない。 すごいエネルギーをまとって迫ってくる。 大好きな花。 庭の中央の花壇の…

義時さんもいよいよ大詰め

日曜の夜の楽しみは、何と言っても大河ドラマ。 新しい週の準備も八時までに終わらせて、ワクワクしながら時計を見上げる。 (なにしろ、大河ドラマ大好き家族なので…) 今年の主役は小栗旬だよ! (うふふ…) と思っていたのに、始まってみると (なんだか…

最強助っ人の帰還

2006年 団地から一軒家に引っ越した。 ”女ひとりと一匹”…ではなく、ひとり暮らしをしていた息子もいっしょ。 高校の卒業式の翌日に家を出てから六年が過ぎていた。 一人暮らしを始めた息子に待っていたのは、思い通りにいかない就活。 希望とやる気に満…

 人生はどこに曲がり角があるかわからない

(いつの日かあそこに住みたい…) と、憧れている団地があった。 年に何回か行われる抽選会に申し込んでは (あー…今年もだめだった…) なにしろ家賃が安い。 新しいし、職場には歩いて行ける距離だ。 (当選するまで諦めないわよ) 何回申し込みをしたのか…

秋桜、ススキ、稲の穂

仕事を終えて携帯をチェックすると、着信が入っていた。 「秋を届けようと思って連絡したよ」 「帰りに寄りますねー」 用事を済ませて、秋に会いに行った。 ずいぶん歳をとって気がついたんだけど、わたしは魅力的な人に会うと (友達になりたい!) という…

幸雲街道を見つめて

仕事が終わってホーッと一息… 空を見上げる。 (あー!今日もきれいな青空だー…) ぽっかりと雲が浮かんでいる。 夏が終わって秋の気配… 爽やかな日がしばらく続くのかと思ったら、一気に冬を思わせる冷たい空気! かと思ったら… また、暑くなった。 半袖のT…

自分らしく生きたい Part 2

台所で洗い物をしていると、テレビで氷川きよしと言っているのが聞こえた。 (おっ!) 歌番組に氷川きよしが出演するらしい。 もしかしたら演歌が聞けるかもしれない… 期待してテレビの前に座った。 ほかの歌手の出番が終わり、ようやく氷川きよしが出てき…

幸雲街道 

見上げると、そこに広がっている空はひとつなんだけど… 春まで働いていた職場は街なかにあり、自宅からは十五分くらいかけて通っていた。 すれ違う車もほとんどない一本道を走り抜けると、やがて国道を横切り駅やビルが立ち並ぶ街へと入っていく。 (どこら…

腰痛再燃、ウォーキングしましょうよ!

八月末、突然腰が痛くなった。 勤務を調整してもらい、半月のあいだ午前中の勤務にしてもらった。 「すみません!」 「急いで治しますから…」 (って、急げるのかい?) ようやく痛みがなくなって、通常の勤務に戻った。 (やれ、やれ…) (やっと治った!)…

しあわせの情景

朝、保育園に行く孫を送り出したときのこと。 いつもは玄関から元気に飛び出していく孫が、今朝は 「抱っこしてー」 と、わたしに手をのばした。 機嫌が悪いわけじゃなくて、たまたま今日はそんな気分だったのだろう。 孫を抱っこして玄関を出たわたしは、青…

競争は得意ですか

長いこと勤めた会社を辞めて、次に働く会社を探していた時のこと。 履歴書を見たハローワークの職員さんは 「いろいろ経験をつんでいるから、すぐに決まりますよ!」 と太鼓判を押してくれた。 すっかり信用したわたしは、そのあとに続く面接不合格地獄に (…

トップガン終わった…

休みが来るたびに (行こうかな…) (止めとこうかな…) と、葛藤を繰り返していた。 「何回も行ったんでしょ!もう気は済んだでしょ!」 ( …… ) (でも、行きたいな…) そんなある日、デジタル先行配信の発表があった。 ということは、 上映終了の日が近…

台風十四号は去ったけれど

いつもは台風接近のニュースを見ても、 (この辺は、多分大丈夫だろ…) と、勝手に決めこんで、ちょっと他人事で済ませてた。 一応、養生テープを買い込んで窓ガラスに貼り付けたり、外を見回って飛びそうなものを片付けたり、最低限のことはもちろんしてた…

台風接近…それも最強

数十年に一度という最強の台風が発生したと、何日も前からテレビで騒いでいる。 八月末の台風十一号の時も大型で、一週間くらいウロウロと迷走した。 (避難しようか…) (大丈夫かな…) 迷っているうちに、進路がそれた。 今回はなんだかヤバそう。 風で飛…

相手を選ばない癒やすちから

犬を飼うなんて縁のない世界だと思っていた。 でもうちに帰ると犬がいる。 「ワンワン鳴いて騒いだらダメよ」 「静かにお留守番をしててね」 言い聞かせて仕事にでかける暮らし。 ある日のこと。 押し入れの中からキャリーバッグを出して桃を振り返った。 桃…

爆食い事件

生後間もないワンちゃんがわが家にやって来たのは2005年のこと。 その風貌からおじいさんを想像してしまうけど、間違いなく女の子。 元気の出ないわたしを心配した友人が強引に連れてきた。 自分のことでいっぱい。 犬を飼うなんて 「ない!ない!」 「…