森野きりりの漂流日記

容姿もダメ頭もよくない、おまけに性格も悪いと自分を否定することしかしなかった女の子が、人生の荒波の中で「いやいや何も取り柄がなくても大丈夫さー」ということに気が付いていく長い長いお話です

2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

日本列島”氷の世界”

朝一の用事を済ませて家に戻ると、とりあえず一息… 窓から見える空を楽しもうと、ソファに腰を落ち着けた。 壁をぶち抜いて作ったこの出窓からは、青空と樹木と刻々と流れていく雲が見える。 このところ、何日も前から世間は大騒ぎ! 寒波襲来! 災害級の大…

素顔は知らないの

去年の春までは今とは全然違う仕事をしていた。 今は立ちっぱなしの仕事。体力が頼みの綱だけど、そのときは座ってパソコンと格闘する日々。毎朝、家を出る時は (今日も一日、無事に乗り切れますように…) なんて、ちょっと弱気なわたし。何故って頭の中は…

満月

フロントガラスの先に見える月がとても大きく見える。 (今日は満月だった…) このまま帰るのはもったいない気がした。 家の近くまで戻っていたのに、Uターンしてスーパーマーケットでノンアルコールのビールを一本買うと、満月を見るために空き地に車を停め…

かなしみの森はどうなっただろう

すっかり忘れていたくせに、手にした本を見つめて (やっと会えたね!) と、思っているわたし。 本を助手席に置いて家路を急いだ。 青い色の中に月がぼうようと浮かんでいる表紙をそっと開く。 読み始めた途端、周りの景色が消えた。 小池真理子という作家…

かなしみの森にいた真理子さん

正月休みが終わって、2023年が動き出した。 慌ただしい日が始まる。 買い物に出たわたしは、信号待ちをしていてふと上を見上げた。 視線の先に、丘の上の図書館の屋根が見えた。 買い物を後回しにして、図書館に向かった。 駐車場はあいかわらず市松模様…