森野きりりの漂流日記

容姿もダメ頭もよくない、おまけに性格も悪いと自分を否定することしかしなかった女の子が、人生の荒波の中で「いやいや何も取り柄がなくても大丈夫さー」ということに気が付いていく長い長いお話です

コロナ禍のあるあるお話し

 

つい先日の昼休みの出来事。

休憩室で昼食をとっていた。

そこに同じフロアで働いている職員さんが通りかかった。

突然、わたしの方を向いて

「初めまして!今度こちらでお世話になります。よろしくお願いしします」

と、ご丁寧なあいさつ。

「えっ!?」

(どういうこと?)

一ヶ月ほど前に新しく入ってこられた方というのは分かっている。

初日に自己紹介をしてご挨拶も済んでいる。そのあとは同じフロアで働いて居るのだから、何度も顔を合わせているし話もしている。

なんで今さら…?

 

(あっ!もしかしたら…)

わたしの仕事をしているときの姿は、三角巾を頭に被りメガネを掛けて、鼻から下は大きなマスクで覆っている。その上にフェイスシールドで隠しているから、人相なんて分かりようがない。

素顔を知らないのだ!

「すでにご挨拶済んでますよー。いつも顔を隠しているから顔を知らなかったんですね!」

「あーっ!そうなんだ。失礼しました!」

 

休憩が終わってフロアに戻ると、三角巾を被ったわたしを見て

「あーっ!その姿を見たら分かりました!」

と笑顔になった。

「ちなみに、わたしはこんな顔です」

と、マスクを外して素顔を見せてくれた。

想像していた顔とは違っていた。

わたしの素顔を偶然目にして、誰か分からなかったのは当然かも。

 

コロナのせいでわたし達は顔も知らない人と、知っているつもりで仕事をしているのだと思った。

大人のわたし達はまだどうにかなる。大人の対応をすればいいのだから。

コロナが過去のことになり、誰もがマスクをしない世の中は再び来るのだろうか。

 

マスク姿しか知らないこども達のつながりって、どんなことになっていくのだろう…