森野きりりの漂流日記

容姿もダメ頭もよくない、おまけに性格も悪いと自分を否定することしかしなかった女の子が、人生の荒波の中で「いやいや何も取り柄がなくても大丈夫さー」ということに気が付いていく長い長いお話です

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

月の誘惑『月光浴』

1998年、姉と二人で写真展を見に行った。 その時、なぜその写真展を見に行くことになったのかは憶えていない。 姉から誘われたのか、新聞か何かで見かけてわたしのほうから誘ったのか… エレベーターを降り会場の前に着いた。暗くて中がよく見えない。 ド…

新宿コマと黄桜

年賀状を書く時期になると、メールしたくなるのがゆみちゃん。 東京で仕事をしていたときの同僚だったゆみちゃんは頭の回転が早くて辛口のコメントが小気味いい女子。 出会ったのはゆみちゃんが二十五歳で私は二つ下の二十三歳。 地方から出てきたわたしと違…

初めてのダンスパーティ!

社会人になって最初の夏が終わろうとしていたときの話。 いつもの朝、電車を待っていたわたしは掲示板に貼ってあるポスターを見つめていた。 「今年のクリスマスは、華麗にダンスを踊りませんか?」 というような内容だった。ような…って。あまりにも遠い記…

ふわふわしっかり絶品卵焼き

かれこれ二十五年くらい前になるかなー。 遠くに住んでいた妹のところへ遊びに行ったときのこと。 こどものころはそんな片鱗は見せなかったのに、いつの間にか妹は料理がとても上手になっていた。 そのときも、わたしのために美味しい料理でもてなしてくれた…

恐怖映画の効能とサングラス

むかしは、これでもかって怖い映画がたくさんあったよね。 最近はテレビで予告とかしていないから分からないけど、わたしが知らないだけで、今でもあるのかなあ。 若いころ、ものすごく怒ったときや、ものすごく悲しいことがあると怖い映画を見に行った。 見…

ホラーから恋愛小説へ『美しい時間』

『墓地を見おろす家』で小池真理子を知ったけど、ホラー小説に興味があるわけではなかった。見えない何かに引き寄せられて手に取ってしまった本が、たまたまホラーだったというわけ。 図書館に行って小池真理子のコーナーに並んでいる本を眺めてみる。 ホラ…

小池真理子が見せてくれたホラー

本屋さんでブラブラと物見していたときのこと。 いつもは絶対に手をのばさないのに、何故か手にしてしまった本を見つめる。 『墓地を見おろす家』 買う決心はついていないのに、なぜか本を持ってレジに向かった。 読む決心はついていないのに、財布をバッグ…

安物買いのセーターと毛玉取り

昨年はコロナ禍で見送ったけれど、毎年暮れが近くなると、仲良し四人(昔の仕事仲間)で忘年会をするのが年末の楽しみ。 年齢はバラバラ。わたしが七十代目前(七十代って本当に驚いてしまう。いつの間になったんやねん!)五十代になったばかりの二人と、四…