森野きりりの漂流日記

容姿もダメ頭もよくない、おまけに性格も悪いと自分を否定することしかしなかった女の子が、人生の荒波の中で「いやいや何も取り柄がなくても大丈夫さー」ということに気が付いていく長い長いお話です

あなたは誰?鴨じゃないよね…

 

猫背を治すことも大事。

だけど、やっぱ運動しなくっちゃ!

反省してウォーキングに出た。

 

足が向くのはやっぱり川べりの道。

川を横目に歩き始めた。

 

鴨も居ない。

謎のリングもない。

(さみしいわー)

でも頑張って歩くんだ。

 

せめて雲でも眺めるか…

雲だけは裏切らないね。

毎朝、毎夕すがたを変えながら、これでもかーって存在している。

 

黙々と歩く。

もうすぐ十二月になるというのに暖かい。

ありがたいんだけど、冬には冬の寒さが必要だ。

いつまでも暖かいままだと、そのうち

「野菜が高騰しています!」

ってニュースが流れるに決まっている。

文明が発達しても、人間の力では太刀打ちできないことだらけ…

 

そんなことを考えながら、フッと川を見た。

!!!

何?

鴨?

いや違う。真っ黒だ。

一羽の黒い鳥…

一羽だけなのに楽しそう!

舞っているように見える。

くるくる回ったり潜ってみたり…

何度も何度も繰り返している!

(なんて優雅なんだろう!)

…ぼーっと見つめてしまった。

 

立ち止まったわたしの前で、いつまでも舞い続ける鳥。

時間が許すなら、このままずっと見とれていたい…

だけど、そうもしてられない…残念!



今日のウォーキングのご褒美は正体は分からないけど、優雅なダンスを見れたこと。

元気をもらって笑顔で帰路につきました。