森野きりりの漂流日記

容姿もダメ頭もよくない、おまけに性格も悪いと自分を否定することしかしなかった女の子が、人生の荒波の中で「いやいや何も取り柄がなくても大丈夫さー」ということに気が付いていく長い長いお話です

自分らしく生きたい Part 2

 

台所で洗い物をしていると、テレビで氷川きよしと言っているのが聞こえた。

(おっ!)

歌番組に氷川きよしが出演するらしい。

もしかしたら演歌が聞けるかもしれない…

期待してテレビの前に座った。

 

ほかの歌手の出番が終わり、ようやく氷川きよしが出てきた。

衣装を一目見て

(あー…演歌はないな…)

 

わたしのように、力強いこぶし回しの演歌に酔いたい人は、今はどうしているんだろう…

きよし様のファンなら変化も全部受け止めて、今のすがたを楽しめばいいじゃないと言われるかな…

そんなことを思いながら、テレビの中で躍動する氷川きよしをじっと見つめた。

 

”自分らしく生きる”

公言して行動を起こすのは、どんなに勇気のいることだったろう。

吹っ切れたように見える表情を見つめながら、その裏に流れたであろう長い時間を思った。

 

画面をぼんやり見ていると、次の曲目が紹介された。

箱根八里の半次郎

演歌だ!!

 

以前に比べるとちょっとだけソフトになった気がする歌が聴けた。

やっぱりいいねー!わたしの魂を揺さぶる

”白雲の城”

ではなかったけど、久しぶりに氷川きよしの演歌を聴いて嬉しかった。

わたしが知らないだけで、演歌もこれまでのように歌っているんだろうか…



いろんな思いはありますが、自分らしく生きようと奮闘している姿は、それはそれでちゃんと受け入れているのよ。

たくさんの人に勇気を与えたのだろうなと思うし、この歳になったわたしでさえ、決意の眼差しを見れば

(よしっ!わたしもがんばろ!)

ってこぶしを握りしめるもの。

 

魂を揺さぶられたい時はYou Tubeで楽しめばいいか…

それとも演歌ぶりぶりのアルバムを買って、どっぷりその世界に浸ろうか…



《自分らしく生きたい》2022.1.27