森野きりりの漂流日記

容姿もダメ頭もよくない、おまけに性格も悪いと自分を否定することしかしなかった女の子が、人生の荒波の中で「いやいや何も取り柄がなくても大丈夫さー」ということに気が付いていく長い長いお話です

感謝のこころを伝えるには

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週に一度心待ちにしている新聞記事がある。

悩みや気になったことに対して、いろんな人が意見を述べているコーナー。

深刻な悩みもあるし、愚痴を聞いてほしいだけかな…ということも。

人生相談ではないので、読んでいて肩に力が入ることはない。

 

今日、読んだのは

介護に疲れているお母さんに、ねぎらいの気持ちで高級バックをプレゼントしたら

「お出かけできないのに、虚しい」

と言われた娘さんの話。

 

 

社会人一年生の娘さんが、清水の舞台から飛び降りるくらい頑張って買ったバック…

(お母さんを喜ばせたかったのに…)

(いつも大変だね。大変だってことちゃんと分かっているよ)

という娘さんの気持ちが伝わってくる。

 

だけど…

(プレゼントなんかいらない。一週間、いや、三日間、せめて一日でもいい。介護を一緒にするよって言ってくれたら…)

おかあさんが欲しかったプレゼントは、そんな言葉だったかも…

 

先の見えない毎日の中にいるお母さんに

(高級バック?)

(そんなものもらって、どうするの…)

ブチ切れたというお母さんの気持がよく分かる。

 

それは、わたしは介護を経験したから。

ひとりではなく、妹と二人で力を合わせて介護していたわたしでも、いつまで続くか分からない現実にくじけそうになったころがよみがえる。

 

ひとは優しい気持ちを持っていても、自分が体験したことしか実感できない。

休みの日に、お母さんと一緒に一日を過ごしてみたら、何か見えたかもしれないね。

 

たくさんのひとに出会って、たくさんの経験をして、こころの容量を増やしていくしかないのだろうな。

 

みんな優しいのに、みんな優しくないと感じてしまうことって、日常茶飯事どこにでも転がっている。