森野きりりの漂流日記

容姿もダメ頭もよくない、おまけに性格も悪いと自分を否定することしかしなかった女の子が、人生の荒波の中で「いやいや何も取り柄がなくても大丈夫さー」ということに気が付いていく長い長いお話です

おいていかれちゃったかも(鴨)…

 

大移動はとっくに終わってるんだよね。

鴨の習性はよく知らないけど、暖かくなってくるといつの間にかいなくなっている。

(北国に帰ったのね)

と季節が移ったのを知る。

 

ある日

朝方の冷たい風が吹くなか二羽の小さな鴨がいた!

(あれ!おいていかれちゃったのー)

……

小さな姿に胸が痛くなった。

 

 

(ん…?)

可哀想なのか…

めっちゃ楽しそうなんだけど…

じゃれあうように寄ったり離れたり…

はしゃいでいるように見える。

 

親やきょうだいが遠い北国を目指して出発したのを知らないのかしらん。

それとも

(わたし達はここに残ります!)

って居残り宣言をしたのか。



それからというもの子鴨たちは

(どうしてるかなー)

と探しながらウォーキングをしていた。

 

しばらくすると姿を見かけなくなった。

もしかして、たった二羽で北国を目指したんだろうか…

心配をしていたある日

 


二羽の鴨が川にいた。

大きくなっている!

北国は目指さなかったのか

 

 

だとしたら

これからどんどん暑くなるのに、どうするつもりだろう。

心配するわたしの前で楽しそうにみえる鴨。

 

 

「おいていかれちゃったかも!」

「こうなったら仕方ないね」

「助け合ってここで頑張ろうね」

とでも言ってるように見えるんだけど…