森野きりりの漂流日記

容姿もダメ頭もよくない、おまけに性格も悪いと自分を否定することしかしなかった女の子が、人生の荒波の中で「いやいや何も取り柄がなくても大丈夫さー」ということに気が付いていく長い長いお話です

無心の境地

 

大好きだけど封印しているもの

”ジグソーパズル”

夢中になるとあとが面倒だから我慢していること

”草取り”

達成感にひたれるけどどっと疲れること

”断捨離”

 

働き盛りの四十代のころだったろうか…

ストレス解消にとジグソーパズルを買った。

 

やってみたらわかるよ。

あれはほんとうに楽しい!

パズルをはめこんでいくだけなのに、やり始めると家事なんかどうでもよくなる。

(あと少し…)

(もう一枚できたらきっとやめるから…)

あと一枚が永遠に続く。

 

はっと気がつけばもうこんな時間…

あわてて夕食の支度を始める。

始めることができるならまだいい。

(もう、今日は食べなくてもいいや…)

なんて思ってしまう。

 

誘惑を断ち切れないなら元を断たなくちゃ。

楽しいけど、すごく夢中になれて楽しいけど

ジグソーパズルは頭から削除。

 

無心になるといえばジグソーパズルに負けてないのが草取り。

若いころ姉と妹がせっせせっせと草取りをしているのを見て

(何が楽しいんだろう…)

とながめていた。

ところが…

しゃがみ込んで草に手を伸ばしたら

(あら!ふしぎ!)

あたまの中が空っぽになって平和な時間が訪れた。

 

でもね…

腰痛持ちのわたしには、無心で夢中がいちばん危険。

のめり込むわけにはいかない。

 

 

今日は部屋の片付け。

わたしの部屋には大きすぎる本棚を処分することにした。

気が変わらないうちに粗大ごみ受付センターに電話した。

 

さて、大量の本をどうしよう…

処分してもいい本と、まだまだこの部屋に存在させてもいい本とに分けた。

処分から逃れた本を片付け始めた。

……

無心になって黙々と続けていたけど、突然

疲れた。

 

 

片付いた本だけ見ると達成感。

だけど、部屋の中は雑然。

(また今度の休みに続きをしよう…)

力尽きて終了した。