森野きりりの漂流日記

容姿もダメ頭もよくない、おまけに性格も悪いと自分を否定することしかしなかった女の子が、人生の荒波の中で「いやいや何も取り柄がなくても大丈夫さー」ということに気が付いていく長い長いお話です

ことばのちから

 

何という年明けだろう!

元旦の夕方四時過ぎ、テレビを見ながら食事をしていた。

地震速報”

のテロップに箸を止めた。

「震度五強だって…」

「正月早々いやだね…」

その数分後震度七…の文字。

 

テレビを凝視したまま熊本を襲った地震のことが頭をよぎった。

「大地震です!大地震です!」

男性の不気味な声でマイク放送があり、その声に恐怖心を煽られて部屋の中をぐるぐる回っていたのを思い出す。

 

親類や知人が地震のあと揺れる家が怖くて車中泊をしていた。

ついこの間のように感じるけど、あれから七年も経った。

復旧の進捗状況を検索してもまだまだ先の長い話。

 

そして元旦の能登半島地震

毎日地震の様子がテレビで流れ続けている。

それをただ傍観しているだけの後ろめたさ。

 

「日常を送れる方はいつも通り日常を楽しむこと」

「あとは募金とか」

「支援しようと自家用車で駆けつけたりしたら道路が混み、緊急車両の邪魔になり助かる命も助からなくなるので、今自分がいる場所で精一杯生きるのが大切…」

自衛隊上がりのお笑い芸人(上がってないのかな)のことばを目にした。

 

………

このことばに救われた人はわたしだけではないと思う。

やす子という芸人さんが好きになった瞬間。

 

地震だけでなく世の中にあふれている戦争や事故やたくさんの悲惨でかなしい出来事。

ニュースをただ見ているだけのじぶんに感じる後ろめたさ。

(ありがとう…)

(日常を大切に過ごすよ…)

その中で何ができるか考えて、できることはやろうと決めた。