森野きりりの漂流日記

容姿もダメ頭もよくない、おまけに性格も悪いと自分を否定することしかしなかった女の子が、人生の荒波の中で「いやいや何も取り柄がなくても大丈夫さー」ということに気が付いていく長い長いお話です

幸雲街道

爽やか!

青い!

吸いこまれる!

雲だらけ!

昨日の空を見て思いついたのは、こんなありきたりのことば。

 

あの空の素晴らしさをそのままカメラに収める力がわたしにあるならば…

と思うけど、残念ながら、無理…

だけど、わたしは空に向かってシャッターを押し続ける。

 

幸雲街道は間違いなく彼の国(かのくに)にも繋がっている。

戦禍で苦しむ人々の上にも広がる空。

 

彼の国の人々は美しい空が広がっていることを知らない。

見上げるのは空を見るためではない。

深い絶望のため息が聞こえてくる気がする。

 

民間人を退避させるとか人道回廊を設置するための協議を始めたとか、民間人の被害を避けるためにあらゆる方法をとることが重要だと言ってるうちにいよいよ緊迫の様子が映し出されているニュースの映像。

 

 

避難する住民の長い列。

銃でなければ解決しないという国にわたしは住んでいない。

パレスチナ問題を理解しようとたくさんの記事を読むけれど、よくわからないまま発端と思われる二千年前まで遡ってしまった。そこが争いの最初…?



こころを痛めながら、その一方で日々の楽しみを探して生きているわたし。

幸せを求めていることの後ろめたさ。

こんな思いあんな思いをしながら人生の最終章を生きている。

 

空に向けて銃を撃っても届かない。銃では解決の道は果てしないのに…

だったら幸雲街道が空から奇跡を起こしてくれたらいいのに…

そしたら幸雲街道の名に恥じないのに…

祈ることくらいしかできない…

 

(2022.10月  幸雲街道 )