森野きりりの漂流日記

容姿もダメ頭もよくない、おまけに性格も悪いと自分を否定することしかしなかった女の子が、人生の荒波の中で「いやいや何も取り柄がなくても大丈夫さー」ということに気が付いていく長い長いお話です

 

朝の六時過ぎ。

ウォーキングに出ようと玄関を出て空を見上げた。

白い空に浮かんでいたのは、空よりもさらに白い月だった。

ぽっかりと淋しい月が浮かんでいた。

 

昨夜は漆黒の空を圧倒するような見事な月。

すがりつきたいわたしを突き放すように煌々と光を放っていた。

 

転職を繰り返している。

仕事が続かない。

最長二年。短いときで三ヶ月。

辞めるたびにじぶんに言い訳をする。

(もう歳をとったんだから、やる気がなくなったら無理しなくていいの)

 

来月から(といっても、もう二日後なんだけど)また新しい職場だ。

新しいところに行くたびにやる気は満々。

手は抜かない。いつも必死。

その必死さがたぶんじぶんを追い込んでいる。

がんばってがんばって、まわりにとけ込んだ頃

突然!!その日が訪れる。

 

若かった頃はがんばれた。

今は気持ちだけじゃなく間違いなく体がついてこない。

マッサージを欠かさずに体を整え、元気なふりをして

”わたし何でもできちゃいます!”

わたしの笑顔にだまされて、期待していますよ!となったころ

「すみません…辞めます…」

 

次はそんなことになりませんように…

辞めるも進むもじぶんが納得できますように…

 

静かに浮かんでいる月は

「がんばれよ!」

と言ってるのか…

それとも…