森野きりりの漂流日記

容姿もダメ頭もよくない、おまけに性格も悪いと自分を否定することしかしなかった女の子が、人生の荒波の中で「いやいや何も取り柄がなくても大丈夫さー」ということに気が付いていく長い長いお話です

はーるよ来い

 

朝、家を出ると

「あれー!なんだか白い!」

空も遠くの山も、白い世界の中に霞んでいる。

黄砂なんだろうか?

黄砂だとわたしの鼻が

「ハーックション!」

と反応するはずなんだけど…

 

不安で落ち着かない日常。

白い世界はその象徴のようだ。

空を見上げて、震災から十二年経った東北のひとたちのことを想う。

 

庭の花を見つめながら、わたしは歌う。

「はーるよ来い!はーやく来い!」