森野きりりの漂流日記

容姿もダメ頭もよくない、おまけに性格も悪いと自分を否定することしかしなかった女の子が、人生の荒波の中で「いやいや何も取り柄がなくても大丈夫さー」ということに気が付いていく長い長いお話です

季節はどんどんめぐる!

日曜日の朝。

目が覚めると、息子はウォーキングに出ていた。

追いかけるようにわたしも行ってみた。

 

明日から天気が崩れるといっているけど、今はまだだいじょうぶ。

川の横まで出た。

息子の姿はどこにも見えない。

(まっ、いいか…)

最近は腰の調子が悪いわけでもないけど、決して良いとも言えない。

しゃかりきウォーキングはちょっと気が重いから、のんびり散歩という感じ。

 

ブラブラ歩いていて、はっと気がついた。

(そういえば…謎のリングがない!)

放置されたワンちゃんのフンを、まあるく囲んでいたリングがない。

謎のリングからバトンタッチされた”フンスルナ”のビニールテープもがんばったからか…

見渡してもどこにもフンは見当たらなかった。

町の広報などで

”犬の糞尿は持ち帰りましょう”

あちこちに立て札が立っているのはどこ吹く風だったのに、

(もしかしたら誰かが見ているのかな?)

と、思った?

恐るべし!リングとビニールテープの力。

あるのは、真っ白い空と美しい緑の列。

そう!田植えの季節になっていたのです。

 

 

(紫陽花を見に行かなくちゃ…)

と思っていたのに、雑事に紛れているうちに紫陽花は

「今年はこれでおさらばよー」

待ちきれなかった花びらが茶色になりだした…

 


対岸の森はますます深くなり、めぐる季節について行けないわたし…