森野きりりの漂流日記

容姿もダメ頭もよくない、おまけに性格も悪いと自分を否定することしかしなかった女の子が、人生の荒波の中で「いやいや何も取り柄がなくても大丈夫さー」ということに気が付いていく長い長いお話です

しあわせの情景 Part3

 

カーテンの隙間から光が差し込んでる…

(もう朝かー…)

 

「せーの!」

目が覚めたらサッと起きる。

(と、決めている)

起き上がって外をながめた。

 

花壇の花、収穫時期を迎えた胡瓜、黄色い花が咲きだしたゴーヤを確認。

今日は仕事が休み!

用事が入らないなら、やりたいことがある。

それはね

地味な仕事でありながら

始めてしまうとやめられない草取り。

 

黙々と草取りをしている人を見て

(何が楽しくてやっているだろう…)

と、ずーっと思っていた。

 

ところがやってみたら、わかった。

なんでか分からないけど、楽しいのよ。

無心になれるからかな?

ただ草を見つめて手を動かしているだけなのに、頭の中が浄化されていくような至福の時間…



でも

時間を忘れて草取りに没頭したあとに待っているものは…

腰痛…

体が頑丈なひとは、思う存分に無心を満喫すればいい。

だけど、わたしは悲しい腰痛持ち。

楽しいからって、夢中になっていると

「あたたたた…」

突然、軍手を放り出して立ち上がる。

ドクダミの花が

「もう止めるんですか?」

と見上げてるけど

(これ以上無理なのよ…)

 

整骨院に駆け込んだわたしは、マッサージしてもらいながら

(どんなに楽しくても、三十分以上はしません…)

と、いつもの反省をする。

 

三十分だけど、無心になれる瞬間を知っていることを

しあわせのひとつに数えましょうか…