森野きりりの漂流日記

容姿もダメ頭もよくない、おまけに性格も悪いと自分を否定することしかしなかった女の子が、人生の荒波の中で「いやいや何も取り柄がなくても大丈夫さー」ということに気が付いていく長い長いお話です

恐怖映画の効能とサングラス

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むかしは、これでもかって怖い映画がたくさんあったよね。

最近はテレビで予告とかしていないから分からないけど、わたしが知らないだけで、今でもあるのかなあ。

 

若いころ、ものすごく怒ったときや、ものすごく悲しいことがあると怖い映画を見に行った。

見るのは洋画。字幕を見ないと分からない内容と、日本の「あるある」じゃない現実離れしているのがよかった。

人一倍怖がりなのに、いや、怖がりだからこそ敢えて悲鳴がもれる怖い映画を選ぶ心境は…

 

 

それは、恐怖は怒りや悲しみを忘れさせてくれるから。

(映画を見ている間だけの短い時間だけど)

 

その当時、ホラー映画を見に行くと、赤とか青の原色のフィルムを貼り付けて作った簡易サングラスを入り口で渡された。ひとりひとり当たり前のようにそれを受け取って、中に入った。

昔のひとなら

(あー、そうだった、そうだった!)

って憶えている人がいると思うんだけど。

 

その、サングラスをかけて映画を観ると、アラ!不思議。残酷さとか、怖さとかが半減しちゃうのだ。フィルムを通して見る映像は、現実の世界とは違う不思議な空間に迷い込んだ感じ。怖がらせてやるぞー!が見え見えの映画も、しっかりと凝視できた。

 

『悪魔のはらわた』

エクソシスト

『ゾンビ』

666が並ぶのは何の映画だったっけ?そうそう『オーメン

 

 

 

まだまだ沢山あったけど、もう忘れちゃった。

わたしの怒りや悲しみを忘れさせてくれた恐怖映画。目を逸らさないように凝視をするために、あのサングラスはなくてはならないものだった。

 

画面を凝視しているうちに、次第に高ぶった感情は平常に戻っていく。



ときどき、

(なんでこの人、部屋の中でサングラスかけているんだろう?)

って思うことない?

何かを半減させているのかな。