森野きりりの漂流日記

容姿もダメ頭もよくない、おまけに性格も悪いと自分を否定することしかしなかった女の子が、人生の荒波の中で「いやいや何も取り柄がなくても大丈夫さー」ということに気が付いていく長い長いお話です

龍角散のど飴が…消えた!

 

もう半年くらい経つだろうか。

わたしの喉にエヘン虫が住みついた。喉がイガイガしてほんとうに憂鬱。

これってPMかな?毎度おなじみの黄砂かな…

慣れっこになっていて半分諦めてはいるけど、春はじつは憂鬱な季節でもある。

 

ある日のこと。

起きて声を出そうとしたら、

(ん?出にくい…)

無理やり出すと、信じられないような声がした。

(えっ!誰の声?)

(どこのおじさん?)

 

二年前も同じことがあった。

突然声が出にくくなって、無理やりしゃべろうとすると咳が出る。

新型コロナが世界中を変えて以来、熱、咳、だるさ…といった症状が出ると、ため息をつきたくなる。

そしてわたしは速攻PCR検査にすっ飛んでいく。

これが実に面倒!

「知らん顔してればいいじゃん」

と言われても、

「知らないふりができるなら苦労しないわ」

 

「陰性ですよ」

のお墨付きをもらってホッとしたわたしは、いつも常備している龍角散のど飴を買いだめしておこうとドラッグストアに向かった。

……

ついこの前まであったいつもの場所に見当たらない。

(あれー?ないなー。珍しく品切れ?)

 

次の日、買い物のついでに入荷していないかなと、売り場を覗いてみた。やっぱりない。

しかたないから、別のドラッグストアに行った。

ない!

何日かおきに行ってみたけど、神隠しにあったように龍角散のど飴だけがどこにもなかった。

(あれー、こまった)

のど飴は数々あれど、わたしにとってはお守りのような存在の飴。

 

それにしても

(なんか、おかしいぞ…)

店員さんに話しかけてみる。

龍角散の会社に何かありました?」

店員さんは何も知らなかった。どこの店に行っても品切れになっていることも。

 

​コロナの影響、どこかの国の買い占めによる影響か…普段からは考えられないほどの需要拡大で、品薄状態らしい。

 

バッグの中に必ずいた龍角散のど飴が手に入らない!

ないと分かると余計に欲しい!

買い占めた方、少しだけ分けてくれませんか…