森野きりりの漂流日記

容姿もダメ頭もよくない、おまけに性格も悪いと自分を否定することしかしなかった女の子が、人生の荒波の中で「いやいや何も取り柄がなくても大丈夫さー」ということに気が付いていく長い長いお話です

誰がしてくれてるんだろう

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朝、わたしの一日はトイレ掃除から始まる。

そのあと手を洗うついでに洗面台を磨く。

 

今は便利な掃除グッズがいろいろあるから、

(掃除します!)

と決めなくても大丈夫。

 

起きているのはわたし一人。

いつもやっている朝の習慣を誰も知らない。



さて、今日は何気なく見過ごしている暮らしのなかのこと。

 

食事が済んで流しで食器を洗うとき、たくさんの台所洗剤が混じった水は、排水管を通って川へと流れ込む。

我が家は、目の前に川が見えるので、流した排水がどこに行くのかとてもイメージしやすい。

 

油ギトギトの汚れだったら仕方ないと思うけど、そこまで汚れてなければ

(ほんの少しの洗剤でね!)

といつも思う。

スポンジに洗剤をピューと出しているのを見かけると、

(あの濃い洗剤が川に流れ込む…)

と、内心気が気じゃないわたし。

 

川につながった大きな排水口から泡だらけの水が、勢いよく流れ込んでいるのを見かけることがある。各家庭の台所の水や、洗濯の水が吐き出されているのだ。

………

川に流れ込んだ水は下水処理場に運ばれ、そこでいろんな過程を経てきれいな水になって、またわたしたちの前に姿を現す。

 

わたし達には見えてないところで回っている仕事がたくさんある。

川がいつの間にかきれいになっているのもそうだし、大量に捨てられるゴミも、当たり前のように收集車が持ち去ってくれる。

 

一回に使う台所洗剤の量を一滴減らしたら…

ゴミ出しのとき、これは資源になるかもしれないと、ゴミ袋に入れる前にちょっと考えたら…

小さな心がけひとつで、処理する過程を減らせるのではないか、それが自分たちが住んでいる町のためになる。好き勝手にやっていると、税金という形でブーメランのようにきっと戻ってくる。

わたしの頭の中は、そんな思いでくるくる回っている。

 

どこの誰がしてくれているかは知らないけれど、快適な暮らしにはちゃんと理由がある。