森野きりりの漂流日記

容姿もダメ頭もよくない、おまけに性格も悪いと自分を否定することしかしなかった女の子が、人生の荒波の中で「いやいや何も取り柄がなくても大丈夫さー」ということに気が付いていく長い長いお話です

映画「ひまわり」

 

両手に抱えきれないほどのひまわりをいただいた。

早速クリスタルの大きな花瓶に入れて、窓際においた。

逆光になったひまわりを静かにながめた。

……

ひまわりを見ていると必ず思い浮かべる映画がある。

 

むかし、むかしに観た映画だ。

ソフィア・ローレン主演の「ひまわり」

ソフィア・ローレンなんて知らないよって言われるかな…

派手な顔立ちと存在感が際立つ女優さん。もう、ずいぶんなお歳だと思う。

 

共演していたのがマルチェロ・マストロヤンニ

ちょいわるおやじのイメージが、この映画で印象が変わった。



ぴちぴち弾けていた若い頃(そんな時代もあったねー)のことだから、どこの映画館で観たのかは憶えていない。

その後、何度も観た記憶があるのはテレビで放映されたのだろうか。それとも、ビデオを借りて観たのか…

 

ドライブしているときにひまわり畑に遭遇すると、映画の中で見たひまわりの花と重なる。映像とともに流れる旋律は、明るいイメージのひまわりを一瞬で哀しみの色に染めてしまう。

 

心躍る映画や、はらはらドキドキで指の間からでも必死で観る映画は数え切れないほどあるよ。「ひまわり」はそういう映画とは一線を画している。

何十年もの間、一つの作品がこころに深く残り続けていることを思えば、「名作映画」というのにふさわしい。

 

むかしは観たいと思いながら、ついつい見逃した映画があると

(あーあ…)

と歯ぎしりして、何としても観に行けばよかったと後悔したものだけど、今の時代は何でも出来ちゃう。

「よかったら、一度観るのをお勧めしますよ!」

と言える映画です。

ソフィア・ローレンの肉体美に釘付けになるし、その後に続く人生の悲哀を突きつけられるシーンにだれもが無言になります。