森野きりりの漂流日記

容姿もダメ頭もよくない、おまけに性格も悪いと自分を否定することしかしなかった女の子が、人生の荒波の中で「いやいや何も取り柄がなくても大丈夫さー」ということに気が付いていく長い長いお話です

ハッピー・バースデイ・トゥ・ミー

 

はぁ……

(今日もきつかった…)

 

ロッカー室に向かっているとうしろから声をかけられた。

応援でシフトに入っているスタッフさんの誕生日なので

「お祝いにショートケーキを食べよう!」

 

(…ここの職場はそんな慣習があるのか…)

(ケーキが食べれるならラッキー!)

思わず笑顔になって厨房に戻った。

 

主役の彼女は

「誕生日にこんなことしてもらったの初めてです!」

(!……)

友だちやきょうだいでお祝いしたりしないんだ…と少しびっくり。

 

「じゃー、じぶんでお祝いしてる?」

「えっ!じぶんにですか?しないですよ」

意味がわからないという顔の彼女。

 

わたしならだれもしてくれなくても

「おめでとうー!わたし」

ってお祝いする。

だれかがしてくれても…

やっぱりする。

それはそれ。これはこれ。

 

きつくてちょっと休んでみたり、そのままだらけてしまったり、でもまた切り替えて頑張ったり…毎日の暮らしの中でめげずに生きているなら…認めてあげる。じぶんで。

がんばっているかどうかをわかっているのは、わたし自身だもの。

 

でも、いまのわたしには欲しいものは特にないから

たとえば

美味しい珈琲を飲みに行ったり(こっそりね)

仕事に行ってるようなふりをして映画を観たり

図書館で閉館するまでダラダラ本を読み続けたり

友人とペチャクチャくだらない話を延々と続けたり…(延々とね…)

 

じぶんへのプレゼントはたくさんある。

どれを選ぶかはわたししだい…

 

楽しいこと選んだら、笑顔で

”ハッピー・バースデイ・トゥ・ミー”