森野きりりの漂流日記

容姿もダメ頭もよくない、おまけに性格も悪いと自分を否定することしかしなかった女の子が、人生の荒波の中で「いやいや何も取り柄がなくても大丈夫さー」ということに気が付いていく長い長いお話です

謎のリングも疲れたか

 

 

 

朝のウォーキングを再開した。

”はい!これが正解ね”

って答えは出ないけど、腰弱女のわたしにはジワリジワリと成果が出ている(と、信じたい…)

 

夏から秋に移行するもっとも過ごしやすい季節。

昼間の暑さが(今年はどうしたことだろう…もうすぐ十月だよ…)信じられないくらい朝の空気は爽やか。

見上げる空は詩人じゃなくても思わずことばを探したくなるくらい青くて吸い込まれそう。

 

稲刈りの済んだ田んぼと、遠くの山の霞んだ稜線と、青い空を代わり番こに眺めながら黙々と歩く。

 

と、

!!!

(なんだー!これ?)

オーバーにリアクションしたくなるものを発見。

道のあちこちに、記憶の底に埋もれていたリングが現れた。

 

そのリングを初めて見たのはちょうど二年前の夏のこと。

あのときは白いチョークのようなものでまあるいリングが書かれていた。

そのまん中にはワンちゃんのウンチ。

 

今日見たリングは白ではない。

茶色でもない黄土色でもない、地面の色彩に埋もれてしまうような色で描かれているので、見落としていたらしい。

 

”マナー違反”

”ぼくを家に連れて帰って”

クスリと笑った二年前とは違い、今日は諦めのため息が聞こえてきそうなリングの暗い色。

よく見てみればリングの中だけでなく、あちらにもこちらにもたくさんのフンが放置されている…

どこのどなたのリング大作戦かは分からないけど、さすがに疲れてしまったか…

 

街なかの監視カメラだけじゃなく、のどかな田園風景の中にもカメラの設置お願いしますよ…とリングも訴えているんじゃなかろうか。

 

  (2021.10.14 謎のリングその後)