森野きりりの漂流日記

容姿もダメ頭もよくない、おまけに性格も悪いと自分を否定することしかしなかった女の子が、人生の荒波の中で「いやいや何も取り柄がなくても大丈夫さー」ということに気が付いていく長い長いお話です

高く泳げよ鯉のぼりー

 

休日の明るい日差しに誘われて出かけた。

(どこに行こうかなー)

気ままに走っていると、たくさんの鯉のぼりが泳いでいる河川敷に出た。

 

 

親子連れやカップルたちが、はためく鯉のぼりの下で楽しそうに走り回っている。

(!!)

(鯉がわたしにもおいでおいでしてる!)

そんな気がして、河川敷におりた。

 

 

車の中から楽しそうな景色をしばらくながめると、コンビニで買ったパンとコーヒーを膝の上にひろげた。

一人で食べる昼ごはん。

(淋しいかって?とんでもない!)

とても平和な気分。

パンを食べてしまうと、次は撮影会だ。

 

 

笑顔だらけの人の波に合流して、空を見上げる。

鯉がエネルギーを吹き込んでくれたから、わたしもすっかり元気だ。

 


時代の流れだね…

各家庭で鯉のぼりを飾っていた風景はすっかり見なくなった。

広い広いこの場所で泳ぐ鯉のぼりを見上げていると

「風を思いきりのみこんで、快適ですよー」

と叫んでいる気がした。