森野きりりの漂流日記

容姿もダメ頭もよくない、おまけに性格も悪いと自分を否定することしかしなかった女の子が、人生の荒波の中で「いやいや何も取り柄がなくても大丈夫さー」ということに気が付いていく長い長いお話です

こちら現場です!

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今日は水曜日。カレーを作る日だ。

 

急いで整骨院に行って、ささーっと帰ってくると早速玉ねぎを切り始めた。

(今日の玉ねぎは固いな!)

いつもは、気にしないそんなことを考えながら、黙々と玉ねぎのみじん切り。

 

お店で五キロ入りの玉ねぎが二種類並んでいた。ちょっと迷って百円安い方を買った。

(百円の差ってなんだろう?)

だから、固いのかな?

(肥料の違いかな?)

(品種の違いかな?)

(産地はどちらも北海道産だったけどな)

頭の中で、いろいろ考えているうちに大量の玉ねぎのみじん切りは終わった。

 

フードプロセッサーがあるからそれを使えばいいんだろうけど、玉ねぎの量が沢山なので壊れてしまいそう…と用心して自分の腕を頼る。

毎週、水曜日はそのために包丁を研いでいるのだ。

 

 

横で肉を入れた圧力鍋が騒ぎ始めた。

圧力がかかり始めると、シュウシュウ湯気が上っていたのが、スポッ!と音がして突然静かになる。高圧になった合図だ。

その後は圧力を抜かない限り蓋は開かない。そのまま、十分ほど圧力をかけて煮る。

 

玉ねぎを炒めながら見ていると、いつまで経ってもシュウシュウのままだ。

(あれ?何で高圧にならないんだろう?)

 

「今の圧力鍋を使い始めてずいぶん経つねー。そろそろ新しいのに買い換えようか」

そんな会話を家族としたことを思い出す。まだ壊れたわけではないから、せっぱ詰まった話ではなかった。

 

ほんとに買い替え時なのかなー…

 

玉ねぎ炒めを中断して、圧力鍋を眺める。

(やっぱり圧力がかかってない!)

そう判断すると、圧力をかけるつまみを回して解除した。

 

その瞬間!

シュッー!ボワー!ブワワー!

ブブブブブー…

圧力鍋のつまみが吹っ飛んで、つまみがあった小さな穴から蒸気と共に中のスープが天井や壁に向かって噴き上げた!

……

一瞬、何が起こったのか分からなかった。

スープだらけになった台所に立ちつくすわたし。

 

圧力はかかっていたのだ!

それをかかっていないと勘違いしたわたしは、無謀にも強制的に圧力を抜いたものだから、怒ったスープたちが噴き上げちゃったというわけです。

つまみはちゃんとセットしたから、圧力がかかってない訳がなかったのです。

(それなら、あのシュウシュウは何だったのかという謎は残りますが…)

 

「あー…また、やらかした!」

 

インタビューされたら、こう答えるしかないわたくし。

慎重に丁寧にやっているつもりなのに、判断能力が衰えていることをまたも実感いたしました。

その後、ひとり黙々と台所を掃除するわたし。反省…

 

以上、現場からでした。