森野きりりの漂流日記

容姿もダメ頭もよくない、おまけに性格も悪いと自分を否定することしかしなかった女の子が、人生の荒波の中で「いやいや何も取り柄がなくても大丈夫さー」ということに気が付いていく長い長いお話です

腰痛と整骨院でのアドバイス そしてウォーキング

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ずっと腰痛と一緒に生きてきた。

まだ、二十代の頃、あまりに痛くて大学病院の整形外科を受診したら

「もともと骨の形が変形しているので、腰痛からは逃れられないでしょう」

と言われた。母に言ったら

「ごめんね!」

と謝られた。責めるつもりじゃなかったのよ。ただの報告だったのに、こちらこそ

「ごめんね!」

 

 

若いころから整形外科やらカイロプラクティックやら整骨院に通い続けた。

「騙されたと思って行ってみて!絶対にいいから」

と勧められた整体に、一時間以上電車に揺られて通ったこともある。週に一度のペースで半年か一年くらい通っただろうか。

(うーん…確かにいいような気はするけど…)

完全予約制なので、いつ行ってもわたし以外の人を見かけたことはない。静かで物音ひとつしない部屋に敷布団ひとつが敷かれていて、部屋と同化したような先生が寡黙に施術する…という空間に耐えきれずに止めた。

 

ぎっくり腰のように激しい痛みの時は、中国の先生がやっている針治療にも通った。そこは交通の便が悪いところだったので、友人にオートマ車を借りて(わたしの車はマニュアル車だった)

「痛いよー、痛いよー」

と呻(うめ)きながらハンドルを握った。

 

いろいろあがいたけど、最後に落ち着いたのは穏やかにマッサージしてくれる整骨院。劇的に治るわけではないけど、長く通っているうちに説明しなくても触っただけで、マッサージして欲しいところを分かってくれるようになった。

 

ある日、いつものようにマッサージしてもらっている時に

「このまま歩けない年寄りになってしまうのかなあ。どうしたらいいかな」

と弱気なことを言ったら

「ウォーキングでもしてみます?」

先生も深く考えたわけではなく、思いついたんだけどという感じで答えた。

ということで、ウォーキングをすることになった。

三十分くらい歩いてみたらと言われたけど、痛くて十分歩くのが精一杯。

「痛い!無理!」

と言いながら歩いていたのに、いつの間にか十分が十五分になり、二十分になり、あっという間に三十分は楽に歩けるようになった。

 

歩き始めて、三年になる。相変らず時々痛くもなるけど、腰痛と共に生きる人生は受け入れている。痛くなったらマッサージしてもらって、もっと痛くなったらテーピングしてもらって、家に帰ったら大人しく本でも読んでよっと。